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人生の不思議さ 四肢の完全麻痺の星野富弘氏は今や詩画集作者として、その作品は多くの人々から愛されている。彼が9年間の入院生活に別れを告げ、なつかしい故郷へ戻って行ったときの心境を、著書「愛、深き淵より」(立風書房,2005)で次のように記している。 「いま私は、母のひざのように柔らかな故郷の山に向って進んでいる。少年の日、山に向って夢みたような華やかなものは、何一つ持って帰ることは出来ないけれど・・・。でも、胸を張って帰ろう。たしかに形のあるものはなにひとつ持っていない。 けれども、数多くの目に見えるものを支えている目に見えないもっと大切なものを、長い苦しみと絶望の果てから与えられ、それが心の中で息づいているような気がする。・・・故郷を出て故郷が見え、失ってみてはじめてその価値に気づく。 苦しみによって苦しみから救われ、悲しみの穴をほじくっていたら喜びが出てきた。生きているって面白いと思う。いいなあと思う」 まったく健康体であった星野さんが、事故で四肢の完全麻痺になり、今まで歩んでこられた人生には、私たちには想像を絶する闘いがあったこと思う。 と同時に、彼の経験は、神が私たち一人一人に用意されている人生も私たちには理解できないことが多いことに気づかされる。 2008年3月一杯で、私の牧師としての生活は丸35年になる。牧師になりたてのころは、10年続けばいいところだと思ったものだ。このように続けてこられたのも、多くの人々の祈りと助けがあり、神の恵みとしか言いようがない。その間。何度も辞めようと思った。だが、神のご計画は、私が願った方向とは違っていた。そのことを実感させられている。 旧約聖書イザヤ書55章8〜9節には次のように記されている。 わたしの思いは、あなたがたの思いと異なり、わたしの道は、あなたがたの道と異なるからだ。――主の御告げ。―― 天が地よりも高いように、わたしの道は、あなたがたの道よりも高く、 わたしの思いは、あなたがたの思いよりも高い。 |