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希望を持って、今を生き抜く 2008年10月22日の毎日新聞朝刊は「希望を捨てたら終わり」という大見出しで、一人の人物を紹介していた。 彼の名前は、「がん」という病気と付き合いながら、生涯現役を貫くプロゴルファーの杉原輝雄、71歳だ。 彼とがんとの付き合いは11年に及んでいる。1997年12月に前立せんがんと宣告を受けた。治療の選択肢としては、「手術」と「温存療法」だった。だが、彼は手術を拒んで、ホルモン注射などで病の進行を抑えながらプレーをつづける道を選んだ。 手術を避けた一番の理由は「選手として残された時間が少ないから」だった。実際に、手術をすると、すぐに選手として復帰するのは難しかった。その後、がんの進行は止まっていた. しかし、2008年4月、地元関西で行われたトーナメントの前のことだ。精密検査を受けた彼は、担当医から「リンパ節への転移の可能性」を告げられた。それを聞いたときに最初に感じたことは、 「これはたいへんやなあ」 だった。 「とはいえ、自分が選んだ結果、手術しなかった分、そうなんたんやろなあ」 と意外と冷静だった。 「70歳を超えたら、死を当たり前のこととしてとらえているから。まず、目の前のことに対処していこう」 と前向きに考えた。 転移告知から半年が経っても、彼の生活は何も変わっていない。午前4時に起床し、ストレッチやトレーニングを欠かさない。 彼は次のように言っている。 「病気で動けなくなったわけじゃないし、無理はしないが、立ち向かっていくしか名やないか。がんは死と結びつく病気なんやから、誰でも苦しむのは当たり前。それを元に戻すことはできない。前向きに勝負するしかないやろ」 しかし、今季の4月以来の成績は、ツアー5戦中、予選落ちが4回、途中棄権が1回。その彼がこう言っている。 「病気に負けたと言いたくないし、可能性がある限りはツアーに挑戦していきたい。まぐれで予選を通ることもあるんやし。希望を捨てたら、人はそこで止まってしまう。何事も不可能だと思いたくない。世の中には、頑張りたくてもできない人だっていっぱいおるんや。今でもゴルフができるんやから、僕はほんまに幸せ者や」 彼の姿は、私に聖書の次の言葉を思い出させた。 「患難さえも喜んでいます。それは、患難が忍耐を生み出し、忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出すと知っているからです。 この希望は失望に終わることがありません。なぜなら、私たちに与えられた聖霊によって、神の愛が私たちの心に注がれているからです」 (新約聖書 ローマ人への手紙5章3〜5節) |